2020.6.10

【コラム】地中海式食事法とオリーブオイル

オリーブオイルが健康に良い食品として注目されるようになったきっかけの一つに”地中海式食事法“があります。地中海式食事とは、イタリア、ギリシャ、スペインなどの地中海沿岸の国々の人が伝統的な料理のことです。
1985年、アメリカのミネソタ大学のアンセル・キース（Ancel Keys）博士が日本、フィンランド、アメリカ合衆国、イタリア、オランダ、ユーゴスラビア、ギリシャの7か国で行った疫学研究の結果、地中海沿岸の国では高脂肪食を食べているにもかかわらず、血中コレステロール値が低く、心血動脈硬化による狭心症や心筋梗塞、脳血管障害などの心血管病による死亡率がほかの地域と比べて低いことを報告されました。近年の研究では、コレステロール値を下げる効果が立証されており、このほかに高血圧や糖尿病、肥満などの生活習慣病を予防する健康効果も報告されています。”地中海式食事法“は、健康長寿につながる食事法として世界中で注目されるようになりました。

その特徴には、以下のようなものがあります。
・オリーブオイル、ナッツ、豆類、全粒粉など末精製の穀物をよく使う
・野菜や果物を豊富に摂取する
・乳製品、肉よりも魚をよく使う
・食事と一緒に適量の赤ワインを飲む

アメリカのNPO法人Oldwaysが1993年にハーバード大学公衆衛生大学院と世界保健機構WHOと協力して、地中海食のパターンを食品別に分類した“地中海食ピラミッド”を制作しました。この三角形の頂点から下に行くほど日常的に食べるようにします。

この地中海式食事法で、何よりも健康効果を実現する中心的な働きをしていると考えられているのがオリーブオイルなのです！地中海食では油脂としてオリーブオイルを豊富に使用します。オリーブオイルはもちろん油なので脂肪が多いと思いがちですが、オリーブオイルは不飽和脂肪酸を多く含み、血中の中性脂肪やコレステロール値を調節する働きがあります。この効果こそが心血動脈硬化を防ぐ役割を果たし、高血圧、糖尿病などの生活習慣病を予防することにつながっていると考えられます。
つまり、オリーブオイルこそが地中海地域の健康と長寿を守っているのです。

出典：
公益財団法人　長寿科学振興財団　健康長寿ネット　https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shokuhin-seibun/chichukaishoku-tokucho.html
OLDWAYS”MEDITERRANEAN DIET” OLDWAYS https://oldwayspt.org/traditional-diets/mediterranean-diet